【実話小説】やっぱり忘れられない“あの男”

わたしにとって彼は今まで生きてきた
人生の中で一番好きになった男だと思う。

彼との関係は所謂セフレの関係
都合の良い時にだけ会える人だった。

ときどき日本に帰ってきているみたいだけど、
今は楓の葉が国旗なっている国に留学中で最後に会ったのはもう2年前

この物理的な距離がもしかしたら
私を冷静にさせているのかもしれない。

自分から会いたいとは連絡しないが
彼から誘われれば会いに行くだろう。

彼と最後に会ってからも沢山の恋愛をしてきた
彼氏も数人はできたし、一夜限りのお遊びだって経験している

でも、失敗を起こすたびに思い浮かべるのが彼の顔

もう終わった恋だと自分に言い聞かせているだけで、
実際はまだ好きなのかもしれない…

彼との出会いは出会いアプリ

元々お互いに共通の知人がいることがきっかけで
話しが盛り上がり実際に会うことに

あんまり見た目はタイプではないけど、
彼の余裕のある堂々とした雰囲気に惹かれたのかもしれない

食事をして会話を楽しんでセックスをして

また会えたらいいなそんな気持ちになっていた矢先

「実は俺、恋人いるんだ…
でも、○○にはまた会いたい」

今になって思い出すと彼の臭いセリフに笑えてくる

そんな彼との都合の良い関係は約3年くらい

お互いに会いたくなったら連絡して
基本はダラダラとLINEで会話もしないし電話もしない

好きだったけど嫌われたくないから
彼の負担にならないように心掛けていた

「不毛な恋」友達にはそう言われたし、チャラい人と分かっていて
貴重なかわいい20代前半を3年間も過ごしてしまったことを後悔しつつも
彼の事を未だに思い出す彼の存在は果たしてなんのか。

 

■彼氏の存在

極力彼も彼氏の存在は口には出さないようしてくれたけど、
家に行くと痕跡が残っていたことがある。

彼氏の家の近くにある病院の処方箋の袋
冷蔵庫に貼られた2ショットの写真

周りから見れば平穏なカップルなはずなのに、
わたしに何を求めていたのか。

でも、彼は彼氏では埋められない
何かを私に求めてくれていたんだと思う。

というか思いたい。

だから彼は自分から離れないとへんな自信があった。

そんなわたしでも危機感を覚えたある事件がある。

彼はお酒をあまり飲まないし煙草も吸わない。

けれど、灰皿は用意してくれていたし、
お酒のストックもあった。

それを不思議に思った彼氏に浮気を疑われたらしい。

その後に泊まりにいったときに
煙草の吸い殻とお酒の缶は全て持って帰ってほしいと言われたのだ。

最初に伝えておくがこれはわざとではない。

翌日彼が仕事に出勤し、一人彼の家に残り帰って帰ろうと
ポストに鍵を落とした時に気が付いた…

『空き缶おきっぱなしだ…』

すぐに彼に連絡すると、呆れたような返信が返ってきた。

「あーやっちゃったね。まあいいけど」

このときの絶望感は今までで一番大きいものだった。
初めて彼に嫌われるようなことをしてしまったからだ。

 

■彼に「好き」と言ってしまったら…

わたしが思うに恋愛には勝ち負けがあると思う。

好きと言ってしまった方が負け

恋愛は追わせた方が有利な立場に立てるし主導権を握れるからだ。

絶対に好きとは言わない

こう思っていたはずなのに彼との営みの最中に思いが溢れて

『好き』

思わず口走ってしまった…

最悪だ…どうしようと思っていたら案の定

「言っちゃったね(笑)」

彼からの言葉は予想していた通りだった。

これが私の2回目の絶望感を味わった瞬間

これっきり好きという言葉を彼に伝えるのは永遠に封印していたはずだった…

 

■キャットストリート

これはわたしの中で“キャットストリート事件”と呼んでいる。
彼の留学が決まった後の話しだ。

自分の家を引き払い彼氏の家に引っ越してしまったのだ。

そうなるもう家で会うことはできないし
必然的に外で会うしかなくなってしまった。
でも、これが彼の本音を聞けるいいきっかけになった。

彼とは自宅以外でも食事をしたこともあるけれども、
この日にのことはやけに鮮明に覚えている。

私との関係が彼氏にバレそうになった真相
わたしが「好き」と言ってしまったときの彼の本音

初めてお互いの腹を割って話せたのだ。

そして、お互いほろ酔いになり、夏という気候もあったので
渋谷のキャットストリートの公園で話をすることに。

ここでの記憶が曖昧なのだが、
楽しく会話をしたのは覚えている

しかし、何かのタイミングで彼がいきなり、

『タイミングが違かったら付き合ってた』

このびっくりする発言をかましてきたのだ。

ここからは涙が止まらなくなり、
何を話したのかは記憶にない。

きっと気の強い私だから「ふざけるな」
暴言を吐いた確かであろう。

これを私の中でキャットストリート事件と呼んでいる。

その後彼とは一度昼間にデートをしたきり、
遠い外国へと旅立った。

今でもたまに連絡を取る事もあるが、
2年近くはあっていない。

どうしても彼じゃないと無理と思うときもあったが、
そんなことはない。

今はもうそんなに弱くないからだ。

次に新しい男が現れればそっちに気が向くからだ、
それでも何か恋愛で嫌な思いをすると彼のことは思い出す。

まだ彼を好きだということなのだろうか。